認知症の入院・通院治療

認知症と診断された方へ

当院では、認知症の治療および介護に関するご相談に対して、医師・看護師・精神保健福祉士・薬剤師などの専門スタッフが対応しています。治療内容としては、認知症の進行を抑える治療や、認知症による精神症状や問題行動の軽減を目的とした治療を行っております。また、高齢者の精神疾患やアルコール関連の問題についても治療が可能です。

認知症がちょっと心配な方へ

認知症に関して少し不安を抱いている方には、横浜市が実施している「もの忘れ検診」を無料で受けていただけます。さらに、認知症予防に役立つ検査として、「MCIスクリーニング検査プラス®」(22,000円)も提供しています。これらの検査結果を基に、予防や早期発見に役立つアドバイスを、多職種の専門スタッフがご提案いたします。

入院治療について

認知症治療病棟とは

認知症の発症・進行に伴い、精神症状や行動障害が顕著になり、在宅や施設での対応が困難になる場合があります。このような患者様に対して、短期集中的に専門治療とケアを提供する目的で設置されたのが、国の基準に基づく『認知症治療病棟』です。入院治療では、症状の緩和や改善を図り、生活機能回復訓練を行うことで、再び在宅や施設での生活が可能になることを目指しています。さらに、ご家族の介護疲れを軽減するための短期間の入院(レスパイト入院)にも対応しています。

病棟の特徴

当院の認知症治療病棟では、医師、看護師、作業療法士、精神保健福祉士、公認心理師などの専門職がチームを組んで治療を行っています。治療プログラムでは、毎日の生活リズムを重視し、薬物療法と併せて※カンフォータブルケアの技法を用いた関わり、作業療法、音楽療法、ドッグセラピー、季節の行事などへの参加を促しています。これにより、患者様の個性や能力を維持し、意欲や活動性を高め、認知症の進行抑制を目指します。
また、退院後のケア方法や介護サービスの利用方法、退院後の施設選びなどについても、各専門職が丁寧にアドバイスを行いますので、どうぞお気軽にご相談ください。

カンフォータブル・ケアとは

カンフォータブル・ケアとは、快適な刺激を通じて周辺症状(怒りっぽさや拒否など)の緩和や生活の質の向上を図る対応技術です。これにより、看護者や介護者のモチベーションも向上すると期待されています。
具体的なアプローチには、以下のようなものがあります。

  • 笑顔を絶やさない
  • 丁寧な言葉で話しかける
  • 患者様の目線に合わせる
  • ほめることを忘れない
  • 優しく触れる
  • 謝ることを恐れない
  • 気持ちに余裕を持つ
  • 関心を持って接する
  • 不快なことは素早く終わらせる

これらの対応により、患者様とより良い関係を築き、快適な療養環境の提供を目指します。

神奈川病院