あさひの丘病院について
あさひの丘病院は、全240床を有する精神科医療の専門病院です。急性期治療から長期療養、ストレスケア、認知症治療まで幅広いニーズに対応しています。スーパー救急病棟を設置し、急性期症状を呈する患者さまに対する短期集中治療を提供しています。
患者さまの回復と社会復帰を支援するため、多職種連携のチーム医療を実践しています。

あさひの丘病院「治療」の特徴
治療
修正型電気けいれん療法(mECT)
あさひの丘病院では、平成25年4月より修正型電気けいれん療法(mECT)を導入しています(保険適用)。この治療法は、統合失調症、うつ病、躁病など、さまざまな精神疾患における症状改善に高い効果を発揮します。
<修正型電気けいれん療法の特徴>
- 安全性の高い治療法
MECTは、全身麻酔と筋弛緩薬を併用して行うため、患者さまに痛みや負担をほとんど感じさせることなく治療が可能です。 - 患者さまの納得を重視
治療の実施にあたっては、事前に患者さまとご家族へ治療の効果やリスク、合併症などについて丁寧にご説明し、十分なご理解と同意をいただいた上で進めます。
心理教育プログラム
患者さまが疾病についての理解を深め、症状や辛い状態への対処方法を知り、主体的な生活を送れるように支援するためのプログラムを実施しています。
2階病棟「あおぞら」
疾病理解と再発防止を目的に講義やグループワークを行います。
5階病棟「退院チャレンジクラブ」「PEA5」「五助会」
普段の生活上の悩みを共に話し合うグループ、自立した生活に向けた疾病理解とセルフケアを中心としたグループを実施しています。また退院後の安定した生活に向け、社会資源や生活管理面について、他職種でより実践的なグループも提供しています。
6階病棟「こころのケア教室」「寺子屋」「おしゃべりクラブ」「のんびりクラブ」
様々な症状や病状を抱える患者さま向けに、疾患への理解を深めたり、セルフケアを練習したり、不安やストレスとの付き合い方を学ぶプログラムを実施しています。
家族教室
ご家族向けに、様々な情報提供とサポートを目的にした講義や話し合いの場を提供しています。

作業療法(OT)
健康的な生活を取り戻す準備として、精神科作業療法を実施。
手工芸、陶芸、音楽、卓球、ストレッチなど、多彩なプログラムを提供し、患者さまの希望に沿った支援を行っています。
あさひの丘病院の「病棟」
スーパー救急病棟〈2階病棟〉(46床)
当病棟は、精神運動興奮や錯乱などの急性症状に対応する精神科救急病棟です。10代から80代まで幅広い年齢層の患者様が入院し、疾患や症状も多様です。
急性期対応では、患者様の安全と保護を最優先に、精神症状による苦痛を軽減することを目標とし、病状に適した治療を提供。患者様とご家族のニーズに合わせた看護を心がけています。当病棟は閉鎖病棟で非自発入院(医療保護入院・措置入院・鑑定入院)が多いものの、行動制限を最小限にし、患者様のセルフケア能力を引き出すことで、自立と快適な環境の提供に努めています。また、入院3か月以内の短期治療を基本とし、早期社会復帰を目指します。ご家族との関わりを重視し、心理教育や服薬自己管理プログラムへの参加を促しながら、患者様が安心して治療に専念できるよう支援しています。
精神科一般病棟〈3階病棟〉(38床)
当病棟は慢性期の患者様が入院する病棟で、急性期治療後も引き続き治療が必要な方や、退院・社会復帰を目指す方を支援しています。
患者様の強みを見出し、退院に向けた課題を明確にしながら寄り添った看護を提供。かつては長期入院が多かったものの、積極的な退院支援により平均入院期間は約150日に短縮されています。また、電気痙攣療法、持続性注射剤(LAI)、クロザピンの服薬、作業療法など幅広い治療を実施。統合失調症だけでなく、発達障害・知的障害・認知機能障害の方もおり、個性を尊重しながら柔軟な対応を心がけています。
認知症治療病棟〈4階病棟〉(48床)
当病棟では、認知症を抱える患者さま一人ひとりに寄り添い、安心と尊厳を大切にした医療・看護の提供を心がけています。作業療法士やリハビリスタッフと連携し、日常生活動作の維持・改善にも力を入れており、患者さまができることを少しでも長く続けられるよう支援しています。また、身体的なサポートが必要な方へは、丁寧な介助と見守りを行い、安全で落ち着いた療養環境を整えています。スタッフは常に温かい声かけと笑顔を忘れず、患者さまが安心して過ごせるよう努めています。季節ごとの行事やレクリエーションも取り入れ、心の安定や社会性の維持にも配慮しています。当病棟では、患者さまが少しでも穏やかに、そして自分らしく過ごしていただけるよう、日々努力を重ねています。
精神科一般病棟〈5階病棟〉(60床)
当病棟では、中長期の療養が必要な方や、急性期治療後すぐの在宅復帰が難しい患者様に対し、継続的な医療ケアとリハビリを提供しています。
2024年7月より精神科地域包括ケア病棟として再編され、社会復帰に向けた支援をよりスピーディに行っています。医師・看護師・精神保健福祉士・作業療法士・心理士など多職種が連携し、カンファレンスでの情報共有も活発です。
また、地域移行や自立を目的とした心理教育『退院チャレンジクラブ』を導入し、退院後の生活もサポートしています。
患者様一人ひとりに合わせたケアを行い、早期在宅復帰と再入院防止に努めています。
急性期治療病棟〈6階病棟〉(48床)
当病棟では、早期社会復帰を目指し、3か月以内の短期治療を基本としています。うつ病やストレス関連障害、統合失調症、気分障害などの患者様が安心して治療に専念できる環境を提供します。ストレス関連障害の患者様も多く、レスパイト入院も増加しています。患者様が安全に治療と向き合えるよう「入院治療ナビ」を導入し、多職種と連携しながら個別に適したケアプランを作成。さらに、認知行動療法、集団精神療法、作業療法、服薬自己管理などの疾患教育にも力を入れ、治療効果の向上を目指しています。

院長あいさつ


当院は2007年4月に、「旧・神奈川第二病院」から「あさひの丘病院」へと新築移転いたしました。
新病院の開設にあたって決めた目標の1つは、「私たちは常に患者さんと社会からの求めに応える」こと。これは当たり前のようで、実践は決して容易ではありません。
たとえば当時の精神科では、症状が急激に悪化した患者さんを速やかに受け入れる救急体制が十分に整っていませんでした。そこで当院は、それまで前例のなかった神奈川県内での民間病院による救急受け入れを目指して独自の試行錯誤を続け、2012年に県内初の「スーパー救急病棟(精神科救急入院料1病棟)」の認可を頂きました。
また、2020年の新型コロナウイルス感染拡大期には、当院は県内でいち早く「精神科コロナ疑い例等対応病院」に登録して、患者さんが行き場を失うことのないように救急体制の堅持に心を砕きました。
救急だけではなく、当院では患者様の多様な症状に対応できるように、科学的な根拠があり効果が期待されるさまざまな療法や新薬を積極的に取り入れて、常に体制の充実を図っています。その時々で求められる役割をしっかり果たすこと、これが当院の基本方針です。
そして「もし自分の家族が病気になったらぜひ当院で診てあげたい」と、私たち自身が心から思える病院にすること。そのためには、療養環境を常に快適に整えるとともに、患者さんとご家族のご意向を正面から受け止めて、しっかりと伴走しながら治療ゴールへと導くことのできるプロの医療者でなければなりません。
「自分の家族にも入院してほしい病院になる」。それが病院開設にあたって決めたもう1つの目標です。
多くの方に馴染みの薄い「精神医療」というものをもっと身近に感じていただき、「患者さんに選んでいただける病院」になるために必要なことは何か? それは患者さんから学ばせていただくしかありません。時間とともに変化する患者さんの病状やライフサイクルに合わせた最善の対応を、日々の診療を通じて患者さんとともに学ばせて頂く。そして「あさひの丘病院があって良かった」と皆様に言って頂けるように、私たちはこれからも研鑽を続けたいと思います。
あさひの丘病院
院長 福島 端
所在地と連絡先
住所 | 〒241-0803 横浜市旭区川井本町128-1 |
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電話番号 | TEL: 045-951-5600 |
交通案内 | 電車・バス【1】 相鉄線「三ツ境」駅北口より、若葉台中央行きバス(116系統=1番乗り場)にて「東根」下車(約15分)すぐ。 電車・バス【2】 JR横浜線「十日市場」駅南口より、若葉台中央行きバス(23系統=1番乗り場・65系統=2番乗り場)にて「終点」で、三ツ境行きバスに乗り換え、「東根」で下車(約30分)すぐ。 自動車【1】 保土ヶ谷バイパス・下川井インターより約1,5Km 自動車【2】 東名高速道路利用の場合は横浜・町田インターより約2,5Km |